Sunday, August 16, 2009

カダケス~ポル・リガット

ローゼズから17キロ、
コスタ・ブラヴァの半島の先にある
カダケス(Cadeaqués)は、
モンセラット同様今回訪れるのを楽しみにしていた場所。

ローゼズは快晴だったのに、山を上ると霧のなか。
標高600メートルの山を登りきるとあたりは晴れ、
オリーブやぶどう畑を走りぬけると
そこはもうカダケス。

ダリをはじめ、ピカソやマチス、マンレイもとりこになった、
石畳の坂道に白い家が並ぶ小さな漁村。

手前の入り江から南側の入り江まで、
20分ほど散歩。
石畳の急な坂道に、石を積み上げた壁。
石壁の向こう側は、オリーブ畑だったり、
簡素ながら洗練された別荘だったり。

この教会まできたら、あとは下り坂。

すると眼下には、ポル・リガット(Port Lligat)の入り江が広がる。
右手にはダリがガラと暮らした住まい兼アトリエ「卵の家」。
ふたつの白いあたまが寄り添って屋根の上に乗っている。
ダリは「地球上にこれほど美しい景色はどこにもない」と言い、
この地を度々描いた。

港まで坂を下る。
絵になる白い家々にうっとり。
ダリの家は博物館として公開されている。

屋根に乗った卵をながめながら、
入り江の先へ。



釣りをする地元の家族、甲羅干しする北欧系の女の子、
沖に停泊している船に一人乗りの小船で出て行く男性など
ながめながら、ごろごろ過ごす。
あたり一面平たい小石。
水中だとキラキラ光って面白い柄がでる。
「私は目をつぶってでも、ここの岩のすべてを正確に描くことができる」
と言ったダリ。
きのうダリ美術館で見た石や岩の絵にとても惹かれた私。
「これだったのか!」とちょっと感動。


急な坂を超えて、カダケスへ戻る。
正午をまわり、ビーチはにぎやかに。
カダケス散歩。


このエスパドリュ、さっきポル・リガットで履いている男性を見た!
ダリも履いてたのかな。

Saturday, August 15, 2009

フィゲラス~ローゼズ

バルセロナを発ち、フランスとの国境手前、
フィゲラスへ。

目指すはもちろん、ダリ美術館。

ダリの生地かつ終焉の町は、
ダリ美術館がなければきっと通り過ぎていただろう。
入館を待つ行列をしながら、
この旅ではじめてケバブを食べる。
フランスパンを頭にのせたダリのシュールな彫刻をながめながら。


美術館は、“ダリ バイ ナイト”として
毎年8月いっぱい、22時~1時まで限定500名に公開している。
この彫刻がある中庭で、カヴァのグラスサービスもあるとか。
今年で18回目というからすごい。

ダリのシュールな作品も好きだけど、
精密な油絵もすてき。

ガラを描いた作品。(部分)
ヘビのブレスレットと、
左手親指のマニキュアがはがれているところが
ツボにきた。

たっぷりダリのシュールレアリズムを楽しんだあとは、
一路コスタ・ブラヴァに向かう。

ローゼズ(Roses)はビーチリゾート。
というより、どことなく熱海風。。

ちょっとシュール。



地元のキッズ。いい色にこげこげ。

数キロ続く海岸通りには、いろんな出店が。
細い三つ編みブレードにしてもらっている。
これ、人気のようで、子供から大人までたくさん見かけた。
 
痛そうだけど、ちょっとやってみたい。

夏、海沿いの町では夕涼みがてらそぞろ歩きするのが
とても気持ちいい。
ちょうどローゼズ村祭り開催期間中で、
夜も遅くまで通りはにぎやか。

市民会のお祭り。
50mはありそうな、ながーーーいテーブルは
宴会あとの祭り状態。

砂浜には砂の彫刻がたくさん。
ETと宇宙人。

Friday, August 14, 2009

バルセロナの“おいしい!”

スペインは、全般的に“おいしい!”に出会う確立が高いよう。
今回バルセロナでも
“おいしい!”=“楽しい!”がたくさんあった。

“ タベルナ(食堂)でピンチョス ”もいい。

さっと寄って、好きなものをカウンターでつまんで一杯。
待ち合わせにもよし、食事にもよし。

昔ながらのバルのようなところを探してみたものの、
これがなかなか出会えなかった。

どうせさまようなら、楽しいのは
おしゃれショップが立ち並ぶボルン地区。
ブティックもおしゃれなら、レストランも気が利いている。

たまたま入ったのは、タベルナ(食堂)
>> Golfo de Bizkaia

カウンターにずらり並ぶピンチョスは、
好きなものをセルフサービス。
一本1.45€。
会計はお皿に残ったピックの数で。

皿盛りのお惣菜は取ってもらう。


ピンチョスのほかに、
パン・コン・トマテ、
(パンにニンニクとトマトをこすりつけ、
オリーブオイルと塩をかけたもの)
ナス入りトルティージャ(オムレツ)、
マテ貝の酒蒸し、
ブータンのような黒ソーせージ、など。

ビール1杯、二人で30€弱。


近くには、バルセロナいちおいしいに違いない!
パティスリー >>bubo
シェフのカルラス・マンペルは、
2005年にリオンのチョコレートケーキ世界大会で
優勝するなど実力者。
日本ではこんなきれいなケーキはたくさんあるけれど、
正直スペインにもあると思わなかった。
左の洋ナシのケーキは絶品!
カヴァとあわせるセットメニューもある。
となりには軽食がとれるバルも。
きれいなケータリングもしている。
buboは、先のタベルナで食事をしたあと、
23時をまわっても開いていた。
もうとっくに閉まっていると思ったので
最後においしいデザートで〆られてラッキー。
金、土はなんと1時まで営業しているとか!

そうそう、普通のスーパーも21時まで開いたし、
スペイン人は働き者。
イタリアよりずっと景気がいいのもわかる。


ちなみに、スペインにきたら必ず食べたい
ハモン・イベリコ。
日本でもよく見かけるようになった“イベリコ豚”と表記されているのは
ただの黒豚のことも多い。
食べたいのは、ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ。
(Jamón ibérico de bellota)
正真正銘、どんぐりの実を食べて育ったイベリコ豚だ。
bellota=どんぐりのこと。
高品質なハモン・イベリコ・デ・ベジョータは、
サグラダ・ファミリア近くの昔ながらのシャルクトリー
Charcaterias Joaguin Graciaで買ってみた。
(C/Diagonal 366)
キロ69€の超熟成タイプと、
キロ52€のそこそこ熟成タイプ。
どちらも後味があまくておいしい。
個人的には、超熟成よりそこそこ熟成のほうが
塩分が低くて好み。
hamonはラテン語で後脚。
paletaは前脚のこと。
脂肪が少なく比較的熟成期間が短い

あとは、夏ならオルチャータ(orxata)をお忘れなく。

乾燥させたカヤツリグサ(chufa)という植物の
地下茎でできている、ヘルシードリンク。
ミルク色でさらりとしている。
ドライフルーツ屋にも売っていて、
そのままかじってもほんのり甘いそう。
オルチャータはヴァレンシア発祥で、今ではスペイン中で飲まれている。
ジェラテリアやバルでも「オルチャータあります」の札が張られている。
(でもせっかくならオルチャテリアで飲みたい。)
店によって味が違い、飲み比べも面白い。
すっかり癖になって、何店かで味見した。
一番のヒットは、バルセロナ大裏手の
Valenciana(C/Aribau 16)。

夏のバルセロナに戻る日が、すでに楽しみ!

Thursday, August 13, 2009

カタルーニャの☆☆☆ カン・ファベス

聖地モンセラットを巡礼して
身も心も清らかな気分になった後は、
カタルーニャの三ツ星を拝みに。

バルセロナから50キロほど、
サン・セロニにあるレストラン「カン・ファベス」。
旅のプランはすべて私が作ったものの、
「ここだけは行ってみたい!」と
テツの唯一の希望を取り入れた。

同じカタルーニャ人シェフ、フェラン・アドリアの
アヴァンギャルドな料理とは真反対の路線をいくシェフ、
サンティ・サンタマリア。
職人気質の料理人。
彼がデザインしたメニューカバーや
プレゼンテーションプレートを見ても、
センスの良さがわかる。

今日のランチは私たち2人と、
キッチンの中のシェフズテーブルに
ジャーナリストか友人か、
親しげな人が数人。

すすめられた契約ワイナリーの白ワインを
注がれるままいただきながら -

アミューズ:
フォアグラのフラン
アミューズいろいろ

塩気、酸味がバチっと決まっていていい。
一気に期待が高まる。

シンプルなトマト、じゃがいものスープ


ここからがメニュー。

インゲンで巻いたカニのクリームソース
サマートリュフ乗せ


エビ カレー風味のソース ポレンタ添え
最高!!!
魚介の質が相当高いと聞いていたけど
ほんとにそう。
まいりました。

フォアグラとナスのグリル 海アスパラ


本日の魚(たしかタイ)花ズッキーニ添え


ハト アプリコットソース添え

これも相当良かった。

モモのジェラートのせ


ベリーのセミフレッド


プチフール

自分は「カタルーニャ人」であるというシェフ。
料理はカタルーニャ風なのかはわからないけど、
とにかく素材が良く、
濃い?と感じる手前の絶妙な味付けをしているのに
技と自信が感じられた。

客席でソースをかけたり取り分けたりする
いわゆる“サービス”をおこなうレストランは少ない。
ここではフレンチのクラシックな“サービス”を
丁寧に行う姿勢が感じられ、
あぁ三ツ星に来たんだな、という気分になる。

化粧室に入るときびっくりしたのは、
一面がガラス張りになっていて
キッチンが見渡せるようになっていること。
「キッチンと客席の空気がひとつになることが大切」
というシェフの演出。

一見の私たちに、かなりサービスをしてくれたシェフ、
ありがとう。
バルセロナに来たら是非足を運びたいレストラン。

Carrer Sant Joan, 6
08470 Sant Celoni
tel. +93 867 2851
メニュー 149ユーロ~